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衝撃の参考書「現代文標準問題精講」



もちろん英語に限りませんが、優れた参考書は、既に数多くあります。

必要以上なほど大量に(笑)。

それでも相変わらず、新しい参考書は次々に出版されています。

しかし、新たな「定番」になれるようなモノは殆どありません。

二番煎じ的なものや、インスタントに作られた感じがしてしまう本も多い。

・・・それでも、いきなりスゴい参考書が出てくることもある。

昨年出版された「現代文標準問題精講」は、その数少ない典型例です。



この本、冒頭の「はじめに」だけでも一味違います。

思わず「う~ん」と唸らされる。

(「チェックボード」中の A, B の文字が見にくいのですが、それは些末なことです)

この部分を立ち読みした時点で、私は即購入を決めました。



本書の素材文(問題文)の数は40。

その文章の長さは、長いものでも4ページにも満たない(平均はせいぜい3ページ程度)ので、非常に手軽に読めます。

私は現代文の問題文には「小難しい上に面白くない」というイメージを持っていたのですが、そんな私でも退屈せずに読めました。

"現代"文に相応しい、現代を生きる私たちが興味深く読める文章が精選されているからでしょう。

そういう意味で、この本は、ちょっとした「読書ガイド」としても使えます。



この参考書は、素材文を「読みほどき」と「噛み砕き」という2つの切り口で解説しています。

前者は、文章を読むための「テクニック(技術)、ノウハウ」の説明です。

一般に、(現代文に限らず)多くの参考書が紹介しているテクニックには、

 ・数があまりにも多すぎる
 ・内容が複雑すぎる
 ・有効性についての説得力が弱い
 ・学力の向上や内容の理解には役立たない

といった欠点がありがち・・・

しかし、本書で紹介されているテクニックは、上に列挙した問題を全てクリアしています。

質量ともに実用的であり、納得性も高く、受験生だけでなく社会人にも役立つ汎用性もある。

要するに、この本には"本当に使える"テクニックが書かれています。



もう1つの切り口である「噛み砕き」は、素材文の内容をより深く理解するための解説です。

褒めっぱなしになってしまうのですが・・・この説明がまた見事なのです。

素材文の中には、抽象的で難しい箇所もあるのですが、

 ・身近な例を使ったり(内容をイメージしやすい)
 ・背景知識を説明したり(知識の幅が広がる)
 ・ビジュアル的な要素を使ったり(この本の特徴の1つ)

あの手この手で、難しい内容を非常に分かりやすく説明してくれる。

だから、大半の読者は「ああ、そういうことか」と十分に納得できると思います。

ボリューム的にも「簡潔過ぎず、冗長過ぎず」、ちょうどいい具合です。



本書中に、著者がこう書いています。

効率だけ狙った参考書からは「その科目のその知識」しか学ぶことはできない。一方、「意外な刺激」にあふれ、一見、無関係に思えるようなことにも視野を広げる参考書からは、創造的な多くのものを学ぶことが出来るだろう。


この本は、まさにそれを体現している。

こういう、超一流の先生が書いた「名人芸」のような本を、受験生だけに読ませるのはもったいない(!)。

上にも少し書きましたが、社会人にも十分過ぎるくらい有用です。

確かに、ある程度の読書をしている人なら、既に知っている話もあるでしょう。

しかし、そんな人にも、新しい発見や何か得られるものは必ずあるはずです。

少なくとも私にとって、この本は最初から最後まで「目から鱗」の連続でした。


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